タト部記憶

チラシの裏

2017夏・東北飲酒旅行①一日目・仙台~湯沢

旅行に出るとき特有の緊張と高揚が入り混じった気持ちは毎回慣れないもので,今回の旅行もそんな感じで始まった。新宿で同行の友達と合流しピンチケ夜行バスに乗り込む。

仙台までは6時間と短い旅なので,事前に睡眠を取ってから望んだ方がいいだろう。

[東京富士交通ナイトライナーNT011便・仙台駅東口行・バスタ新宿2305-0500仙台駅東口]

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実はバスタ新宿が新しくなってから初めて使うので,より洗練されたデザインになっていて驚いた。

車内は大学生くらいの乗客がいっぱいで,これから大学の新学期だろうか,不思議なエネルギーみたいなものが漂っていた。全く知らない,旅行目的とも限らない他の乗客と同じ空気を共有する移動という過程がやっぱり好きだ。

起きたら高速を降りて市街に入るところだったので(ありがち),その場で朝飯が食えそうな食堂をググった。人生二回目の仙台だ。

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仙台発祥のチェーンらしい。安くてまあまあお腹に入る。何より始発近い朝から開いてるのが嬉しい。

せっかくだから予定より一本早い始発に乗って,前回乗車した時に気になっていた芭蕉の句にも名高い立石寺をちらっと見てみることにした。

 

[JR仙山線・山形行・仙台0610-0716山寺]

前回は雪で一面真っ白だったが,今回は緑が映えるいつものローカル線といった感じだ。

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駅舎から北側を望む。麓に立石寺の本堂(根本中堂)が,山肌に張り付くようにしていくつかのお堂が建っているのがわかるだろう。

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そう,案内はもはや「登山」口なのだ。

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山を背にして立つ立派な堂だ。これが音に聞く古刹・立石寺かと息を呑む。

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山上のお堂に行く場合はこの登山口から。ここで拝観料を納めてから長い階段を登るようだ。僕たちは当初乗る予定だった列車があるためそこまで参拝できなかったが,ここに来るまでに若干階段を登っているのでこれ以上登るのか……と思わされた。

 

[JR仙山線・山形行・山寺0814-0824羽前千歳]

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羽前千歳駅(多分)から北側を望む。ここから先は未乗。

 

[JR奥羽本線・新庄行・羽前千歳0849-0952新庄]

東北名物地獄のロングシート2両長時間乗車。キツイ。

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車窓もいつもの東北。寝る。

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奥羽本線新庄駅でレール幅が変わる*1関係で運転系統がすっぱり分かれている。頭端式が向かい合う変な形のホームだ。

このため必ず新庄駅で乗り換え待ちが発生する。

 

[JR奥羽本線・秋田行・新庄1011-1118湯沢]

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時間通りに到着。

すぐにアポ済みの木村酒造さんにお邪魔した。写真は撮り忘れました……

担当の方がご案内くださり,日本酒の作り方や酒造好適米,磨きによる種類といった基本的なことから,造り酒屋さんの実情まで解説していただきながら,長屋を使った店舗に残る造酒設備を拝見させていただいた。「『純米大吟醸』が持て囃される傾向にあるが,アル添は酒屋が繊細に味を整えているので『大吟醸』にももっと目を向けてほしい」という説明が印象に残った。

主力商品を飲み比べさせていただいて,お土産に「大吟醸 福小町」の300 mLサイズを購入*2。元は「男山」という銘柄で作っていたそうだが,明治帝巡幸の折に木村酒造さんに投宿され,その際下賜された名前が「福娘*3。そこに湯沢出身の大歌人小野小町をあわせて「福小町」だそうだ。

午前中からいい気持ちになって,帰り際にこの辺の名物を教えていただいた。で,行ったのがこれ。

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秋田は湯沢名物・稲庭うどん。そうめんのような細くもっちりした麺をごまだれと天ぷらで食べる。不思議な感覚だが,とても美味しい…。ここは有名なお店だそうで,本店及び工場は鉄道沿いからは離れた隣町にあるそう。なんにせよ,駅前で食べられるのは有り難い。

次に訪れたのは両関酒造さん。町の反対側なので結構歩く。

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立派な白壁。先程の木村酒造さんは道路に面した店舗部分がこじんまりした感じだったが,こっちのほうはよく見る酒造さんの構えという感じがする。こちらも中を色々見せていただき*4,試飲もさせていただいた。こうやって一日のうちに複数箇所の複数銘柄を試飲させていただくと,同じ酒造さんでも銘柄ごとの味の違いがあり,酒造さんごとにも違いがあるんだなとよくわかる。

長くなってしまったので分けます。

*1:以南は山形新幹線を走らせているため標準軌

*2:今見てみたが,飲み比べ用の?300 mLサイズはあまり買えないようで。きつい辛味がなく,優しい飲み口ですいすい飲めるタイプ。美味しいです

*3:確かにこの飲み口は男性的というより女性的な感じがする

*4:酒造見学のたび,毎回デカイ樽と酒税法の話をしてしまうんだよな