タト部記憶

チラシの裏

2017年

誕生日に寄せて,というわけでもないが,今年を振り返っておこうと思う。

まず今年僕に何があったかというと,上半期はサークルの諸々が常に頭の領域の大部分を占めていた。それに加えて4月からは大学の中でもわりかし忙しい部類に入る(と思う),毎日実験毎週レポートの学部生活に追われていた。下半期に入ると今度は研究室選びが始まって,自分がどう生きたいのか,何が未来の自分にとって幸せなのかを考えるようになった。去年と違うところは,常に声優とかアニメ以外のことも頭を占めるようになったという点だ。

かと言って去年よりオタクlikeな活動が減ったわけでもなく,アニメは放送されるものはほぼほぼ視聴したし,ラジオも今までくらいに聴いてたし,イベントもだいたい行っていたと思う。

去年との違いは目に見える活動にではなく,むしろ内面に影響していると思っていて,自分の目と耳で生の声優さんを感じ取るという行為のvalueが減り始めていること,もっと気楽な距離感(勿論双方向的なものではないけれど)でいいと感じはじめたこと,自分の人生に時間とお金を使おうと思いはじめたことなんかが,声優さんにひたむきであろうとしすぎたここ最近の姿勢を以前と同程度に戻しつつあるのだろう。

これは決して今まで/これからのファン活動が無駄だとか言っているわけではない。声優さんの未知だった部分(仕事やその姿勢,またはよりパーソナルな人格や私生活・過去といったもの)が明らかになってきて,自分なりの理解が本人を目の前にしなくとも実態をもって立ち現れるようになってきたこと(一人の人間の理解が出来てきたなんておこがましいことを言ってるのではなく,一人の声優の理解が出来てきたくらいの意味),自分のファン活動において「未知のものを知る」という側面に対して「既知のものを確認する」という側面が占める部分が大きくなってきたことを気づかせてくれて,今一度ファンとしての在り方を考え直してみようと思えたわけだから,心境の変化としてはむしろ好ましいのだと思う。

これからは,無理して全ての話を漏らさず聞くような網羅的な情報収集や確認作業ではなくて,その声優さんが今何を考えていて,それを見て自分はどう思っているのか,どんな刺激を受けて,自分の人生にどういう影響があるのか,みたいなところを考えていきたい。そういう意味で言えば,僕の好きな声優さんは今現在も自分を超えて様々な人物になるという夢を叶え続けていて,日々新しいことに挑戦していて,なおかつその姿勢を世に出る作品という形で発信できている人なので,僕はこれから先も影響を受け続けていけたらいいなと思う。

 

以下今年のアニメ・歌・ラジオ・イベントで特に言葉にしておきたいこと

・アニマルバス→キャストクレジットの一番上に名前が載るというのはファンとしてもこの上なく嬉しい。アニメ自体も波長の合う作品で良かった。アイカツよりも低年齢の子供にreachするアニメ

・メイドラゴン→ハスキーでボインな女性キャラという今までになかったキャラで,なんとなく波長の高い演技を想像していたから衝撃だった。イベントの時率先して場を回していたのが印象に残る

エロマンガ先生→山田エルフはこのアニメで一番可愛くて一番人間的に深みがあって一番ヒロインしてたので,本当に演じてくれて嬉しかった。イベントもemotionalだった

・ソーマ→改めて言うことはない。面白いアニメの良いキャラを演じてくれるというのは本当にうれしい。若干声のトーンが上がっている,気がしなくもない

・A DAY IN THE DRAGON'S LIFE→メイドラゴン自体けっこう好きなキャラソンが多いのだけど,この曲は全員曲でありながら一番好き。さっきも書いたとおりルコアは本来の声とはかなり趣の異なった声なんだけど,ちゃんとキャラで歌っていて,そういうところにキャラクターを演じるということへの姿勢を感じる。

・ミリオン→今年発売だと永遠の花聴けて良かった。歌声の伸びとか音程の繊細さが生で聴くとより感情に訴える。武道館ではdear...をようやく回収した。あまりアイマス受け容れられたことがないが,まさにそこに「アイドル」がいると感じた。ひょいっと演じる自分という存在の縛りを超えて仮想のキャラクターになってしまう,境界を跨ぐパフォーマンスをやってのけてしまうのだ。

・朗読→朗読については別エントリをこのとき書いていた気がするけど結局公開できていない。ただ,あの空間,あの2時間でいくつもの人物を声だけで演じるのを聴くというのはあまりにも新鮮で,実在と仮想の境目をやすやすと飛び越えて聞き手の脳内に様々な姿のキャラクターを浮かび上がらせるのだから,声の力は偉大だと感じさせるものがあった。

・声の大饗宴→オマージュ使い放題の朗読劇で大先輩が超有名キャラを演じる中,ココナを演じていたのがなんだかおかしくて印象に残っている。大先輩の前でこちらに伝わってくるくらい緊張していたのも新鮮だった。

フリップフラッパーズ→イベント履歴を見ていたら年初に店舗イベントがあったのだった。作品自体かなり好きで思い入れがあったのだけど,本人はもっと思い入れがあった(当たり前だが)。商業的に失敗だったのか,続編はあるべくもないわけだけど,だからこその美しさというか,良い思い出としてずっと心の底にしまっておけるような作品だと今思えている。