タト部記憶

チラシの裏

2020夏アニメ(7月期)・終番レビュー

アニメ少ないボーナス期間が終わってしまった。結局可処分時間は増えたけど過去作回収にも研究にも一層時間を使ったわけではなく,自分の自堕落さを改めて感じたクールだった……。

完走本数→40本

平均点

最高点/最低点

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凡例. タイトル 点数(10点満点): 短評

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  1. 文豪とアルケミスト ~審判ノ歯車~ 0点: 全体としてクオリティが低かったわけではないのだが,それにしても全然面白くなかった。次回予告の料理パートだけ笑えた。文豪って何?アルケミストって何?歯車って何?みたいな疑問について全然興味も湧かなかったし僕の負けです。

  2. おばけずかん(実写) 3点: サンシャイン池崎だけちょっとおもしろかったけど基本的に虚無だった。っていうかCGアニメがちょっと出てくるだけでほとんどアニメじゃなかった気もする。放送も不定期でかなり悪質。

  3. 巨人族の花嫁 4点: なんか何もかも中途半端で終わって不完全燃焼。なぜ結ばれないとわかった婚約者を放り出して異世界から娶ることになったのか,なぜ二人の間にいつの間にか信頼関係や愛情が結ばれたのか,何も伝わってはこなかった。

  4. 戦乙女の食卓 8点: 美麗なキャラクターが申し訳程度のちょっぴり良い話の中で美味そうな料理を作る,必要十分なアニメーションだった。5分という尺もちょうどよい。崩壊3rdにも興味を惹かれたし,ファンムービーの域を超えていた。

  5. 無限の住人-IMMORTAL- 7点: 逸刀流・無骸流との戦いの旅路までは配信開始時に割と真面目に見ていたのだが,続く江戸城篇と終幕はあまりにもトンデモ展開の連続で笑いながら見てしまった。吐の刺客と逸刀流のびっくり人間バトルとか,ストーリー全体を見るとやっぱり一貫性に欠けて何がしたかったんだろうと思う向きもある。けれど,尸良との因縁とか見どころは多かった。

  6. みっちりわんこ あにめ~しょん 5点: 無感情。みっちりねこより長いけど中身が無いので特にどうということはない。

  7. ラピスリライツ 7点: キャラクターがどいつもこいつも可愛くて見やすかった。話はまあ薄っぺらかったのだけど,1~2話で完結する尺感であの人数のキャラクターをとりあえずは紹介しきってちゃんとアイドル要素も魔法要素もクリアした,というのは巧かったと思う。でも曲があんまし刺さらなかったのもあってハマりきれず。

  8. オオカミさんは食べられたい 2点: すぐ終わって驚いた。マジで性行為のみの内容だったし,じゃあ最初から地上波で流すなよとなってしまった。

  9. フルーツバスケット 2nd season 9点: 魚谷ありさと紅野のエピソードといい,別荘での草摩由希とのエピソードだったり,とにかく話そのものが好きになれる回が多かった。2期は特に生徒会といい慊人といい草摩由希がフォーカスされていて,その幼さや成長に親目線で一喜一憂,大いに感情を揺さぶられてしまった。完結編も楽しみ。

  10. LALALA COCO(第2シリーズ) 5点: 1期とあまり変わらず虚無。この尺でこの対象年齢なので話らしいものは作れないのはわかるけど。でもルリちゃんは2期のほうが可愛かった気がする

  11. うまよん 8点: 毎話競争に引っ掛けていろいろなことをやっていて,ちゃんとギャグとして成立しているので好感が持てた。ウマ娘本編と同じで,ごく一部のメインキャラ以外はあんまりキャラクターの個性は伝わってこなかったのが残念か。でも正直シンデレラガールズ劇場よりはずっと楽しめた1クールだった。

  12. 放課後ていぼう日誌 10点: 美少女が女性に馴染みのない趣味の部活をやる、という内容の作品は星の数ほどあるが、鶴木陽渚を始めとした魅力的なキャラ群はもちろん、取り組む題材に真摯に向き合っていた点に飛び抜けて好感を持てた。ただ楽しいだけじゃなく、楽しさに伴う危険や社会的責務にしっかり尺を割いて、そこまで含めて釣りって魅力的だな、と思わせてくれるの手腕に感服。

  13. デカダンス 5点: ハマったら面白いんだろうけどいまいちハマりきれないアニメだった。話自体はかなり王道で、設定の新奇さで魅せていくアニメなんだろう。が、真面目な話をずっとスポンジボブみたいな「本体」でやらせるせいで茶番感が出てしまっていたのがもったいない。そうなってしまうと王道な話は凡庸としか見られず、広げた風呂敷もいまいち活かしきれない薄さがかえって目立ってしまった。

  14. テレビ野郎ナナーナ 怪物クラーケンを追え 3点: サ道回とかの自局パロはやっぱり面白いんだけど,JASRACとかしょうもないパロディが痛々しくてつまらなかった。楽しみにしていた有名人ゲスト枠も高橋名人だけと,アニメの中だけの設定じゃなくてマジで低予算感が漂ってきて非常に残念。

  15. 富豪刑事 Balance:UNLIMITED 4点: まるっきり期待はずれだった。原作から舞台をアップデートするついでにかなり話を変えているようだったが,神戸家の過去やアドリウム絡みのオリジナルと思われる要素は特段面白くなかった。映像は終始良かっただけに残念。 

  16. ノーガンズ・ライフ(第二期) 6点: 良くも悪くもやはりラノベアニメといった感じ。十三の過去が明らかになるかと思いきや中途半端に謎を残してきた。オーバーエクステンド同士のバトルという盛り上がりがあってもなお本筋にはあんまりハマりきれなかった一方で,幕間のスケベ回はキレがあって面白かったなという印象。

  17. やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 9点: 7,8年にわたったラノベアニメの完結篇ともなるとやはり感慨が勝る。最後の最後まで勿体ぶって口に出すのを先延ばしにするのは辟易したけど,三人が出した関係性の答えは十分納得のいくものだった。相変わらず陽乃の舞台装置感が鬱陶しかったけれど,対比になってる平塚先生の良さが終始際立つエピソードになっていてそれもいいかなという感じ。

  18. 天晴爛漫! 0点: 何が面白くなかったとかじゃなくて,何も面白いと思える点がなかった。カーレースの裏に渦巻く陰謀…みたいなのも結局そんなに盛り上がらなかったし,そもそも魅力を感じられるキャラクターが一人も居なくて何をやってもフーンとしかならなかった。

  19. 宇崎ちゃんは遊びたい! 8点: 全体的にかなり良い出来で驚いてしまった。制作側推奨の楽しみ方っぽい喫茶店親子の目線にはついぞなれなかったけれど,しょうもない日常を大切に過ごす宇崎と先輩のやり取りは見てるこちらも脱力して楽しめた。書き手の価値観にビルトインされた旧時代的なジェンダー観にはときどき辟易させられたけど,アニオリの鳥取回はじめ楽しめる要素には事欠かなかった。

  20. ド級編隊エグゼロス 10点: アニメ化前に散々アニメ化不可能と言われていたけど,確かにそう言わざるを得ないおバカエロ展開てんこ盛りで最高だった。こういうジャンキーなアニメが見たかったんだよ~~。キャラクターもかわいいし天才。序盤の予想通り後半は映像が崩れまくっていて,そこまで含めて全てが理想的なアニメーションだった。

  21. 食戟のソーマ 豪ノ皿 6点: 見れば見るほど創作料理や各々のキャラクターが魅せる創意工夫といったこの作品の醍醐味といえる部分を軽視した話が出てきて,7クール分の積み重ねを自ら否定しているような感じがしてとても辛かった。が,終盤のソーマとえりなのバトルに戻ってくるところとか,そこでエッグベネディクトを出すところとか,やっぱり僕が好きだったアニメ食戟のソーマが確かに根っこに残っているのを感じて,感慨もまたひとしおだった。

  22. とある科学の超電磁砲T 7点: 久しぶりの新作でもだいたいの話の面白さは変わっていなくて,科学者の傲慢さだったり人工知能の苦悩だったり,ちゃんと話に筋が通ってるので読後感が良いのは流石。でも延期しまくったせいで全体的にかなり間延びしてしまい,100%楽しむことは出来なかった…口惜しい。

  23. 彼女、お借りします。 5点: 女の子は文句なしにみんな魅力的だった。だけに,主人公がカスすぎると楽しめないという好例だった。人間性に問題がある屑が女の子に好かれまくって不誠実な言動を繰り返すアニメを面白いと思えるわけがないし,これを面白いと思って作っている人間の人間性もまた疑ってしまう。構成もかなりお粗末だった。ヒロインを全て出すことに固執した結果後半のヒロインの掘り下げは明らかに中途半端になっていて,二期は既定路線だっただろうになぜ一人ひとりのヒロインの描写に尺を割いてやらなかったのか,いろいろと製作者側の意図が読めない作品だった。

  24. GETUP! GETLIVE! #げらげら 4点: 漫才アニメなのに1分しか尺がないからネタが成立しないしそもそもネタが面白くないのだが、1分で終わるから特に感情が励起されることもなく視聴完了

  25. ピーター・グリルと賢者の時間 9点: ホビージャパンお色気アニメを彷彿とさせるテーマで最後まで走り切った快作。竹達・千本木のキャラが芸術的にハマっていて、ちゃんとエロいしちゃんとおバカな教科書みたいなアニメだった。OPEDの間抜けさも合っていて、生まれ故郷のようなアニメだった。

  26. アラド:逆転の輪 1点: 一期24話分を突如として0話で流して二期から始まるという驚愕のスタートを切ったわりには箸にも棒にもかからない凡庸なダメアニメだった。かつての仲間が敵の手に落ち、過去を改変しようとするのを、それぞれの時代で知り合った仲間と阻止するみたいなエピソードが4つくらいあったが、どれも特段盛り上がりを共有できなくて悲しかった。秘められた主人公のルーツもへ〜って感じで興味なし。中華アニメなら中華アニメらしいトンチキにしてくれよ。

  27. ハクション大魔王2020 8点: 土曜日テレ夕方枠らしくしょうもないだけのタツノコアニメかと思いきや、ちゃんと主人公の成長を描いていて終始好感が持てるアニメだった。毎回お仕事体験をする中でやりたいことが無い受け身のイマドキ少年が自分から一歩踏み出せるようになる、というのはかなり納得できる筋だったし、よく出来ていた。

  28. 魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜 6点: しょうもないアニメだった。バカ真面目にイタいこと書いてる作品を真剣に(かつ面白味がわかるように)作るからお兄様みたいな笑えるアニメができるのに、終盤の最大の笑いどころでふざけた映像が延々繰り出されていてすっかり興が醒めてしまった。キャラクターもいまいち立っておらず、大筋もそうですかとしかならないので、アノス様讃歌とか局所的な笑いどころを最大限活かしきってほしかった。

  29. モンスター娘のお医者さん 8点: 近年流行りの安易な異種族性的消費モノかと思いきや、医療という行為を通して登場人物の問題を解決するというちゃんとした"物語"になっていて好感が持てた。メインヒロインも増やしすぎず、古き良きハーレムラノベアニメ的な空気を残した気持ちの良いアニメ。OPも好きだった。

  30. GOD OF HIGHSCHOOL 3点: 神の塔に続き2作目のクランチーロール出資ラインマンガ原作日本制作アニメとなるが、あまりにも日本の視聴者の感覚とかけ離れているなと思った。どこかで見たような設定てんこ盛りで異能バトル大会やられても楽しめる訳がない。後半は超展開に次ぐ超展開で理解する気も失せてしまった。

  31. バキ大擂台賽篇 7点: 面白かったことには面白かったのだが,最凶死刑囚篇に比べると話も映像もインパクトが弱かった印象。ただ,後半の「強いんだ星人」という言葉に象徴されるように『バキ』篇全体のまとめにはなっていて,何よりも最強を目指す男たちの生き方と,その宿命からの解放という救済の可能性を示すという意味ではかなり納得できるオチではあったと思う。

  32. ぷそ煮コミ おかわり 10点: 一期と全く変わらない良さがあった。やっぱりみたらしが可愛いアニメ。一期のオチからてっきりリアル世界での絡みが多くなってくるのかなと思っていたが,そんなことはなくちゃんとゲーム内での話に終始していたので安心して見られた。

  33. 異常生物見聞録 8点: どう見ても中国なのに八王子と言い張ったり会話の日本語や話題のつなぎが怪しかったりローカライズに苦戦してそうだな~という不安を序盤は持っていたが,慣れてからはただただ古のラノベ感を味わう作品として楽しめた。リリを適当にあしらいながらも大切な存在として認識しているヴィヴィアンの良さで無限にデカ声。ちょいちょいキャラクターの顔が不安定なところと,後から増えたキャラクターがあんまり魅力的に感じられなかったところが惜しい。

  34. あひるの空 7点: 原作者はディオメディアに発注した人間を殴ってもいいと思う、くらいには映像が足を引っ張りまくっていた。スポーツの中でも「動」の極致なバスケという題材で動きに乏しい映像を出してしまうのはあまりにも致命的で、試合中はとにかくテンポが悪かった。一方で試合の外のいざこざや指導者の言葉、感情の機微(特に藪内円!!)にはかなり魅せられるものがあって、4クール見ること自体はあまり苦にならないアニメだった。

  35. GIBIATE the Animation 10点: 出来は悪かった。悪かったのだが、悪い方向性が今までに見たことのないものだった。放送前に感じたとんでもないダメアニメになるという予想は当たってしまった。破綻した筋書き、大きく崩れないものの紙芝居のような映像、緊張感がまるで無いアクション、頓珍漢なセリフ、何の作り込みも感じられない登場人物群、ワクチンを求める壮大な冒険に見せかけて新潟まで行くだけのやたらと狭い世界観、全ての要素が酷い出来。ここまで虚無と駄目が固まったアニメはこの10年来初めて見たものだった。何故ヨシナガはもっと早くメテオラ討伐を止めなかったのか、やたらと挟まる回想に尺稼ぎ以外の意味はあったのか、尺稼ぎのために本編を寸断する用途でCMが使われてしまったスポンサーは何を思うのか、どうしてこんなものが出来てしまったのか、2020年のジャパニメーションはどうなってしまうのか、問いと不安ばかりを掻き立てておいて何も解決しなかった本作。海外販売を中途半端に狙って資金をかき集めた狂人がワンマンでアニメを作ったら何が起こるのかを表した寓話として、教科書に載りそうなアニメだった。

  36. Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season 7点: ついに魔女(可愛い)やロズワールといった核心に迫る事実が明るみに出て,過去最大に困難なド鬱ループもあってと感情の置き場がない1クールだった,だけに,宙ぶらりんのまま切り上げて続きは分割?2クールの形になってしまったのは非常に惜しい。ナツキ・スバルの過去回はマジで興味なかったが,世界に来て初めての理解者,初めての友人といったこの世界で得た変化に関わるイベントは良かった。そういう意味で,久しぶりの新作にあたってキャラクターやストーリーを思い出しつつ根っこに向き合い咀嚼する時間にはなったと思う。

  37. 恋とプロデューサー〜EVOL×LOVE〜 6点: 異能力イケメンと薄いストーリーでイチャイチャするアニメだと思ってたらまさかの巨大な陰謀渦巻く異能スペクタクルで笑ってしまった。予想の斜め上で受け止めきれないスケールの話、興味が持てないイケメン陣といまいち褒めにくいアニメだった。

  38. ステイングベイビーズ 5点: 時勢に合わせてすぐ話を作ってリモートで作って収録するというショートアニメならではのフットワークの軽さとか制作陣のエネルギーはおおっと思うところがあった。が,5分×4話ぶんでできることは限られており基本は虚無。あとYoutube公式配信だけかもだけど収録してる声優映像がずっと表示されてて見づらい。っていうか4話は全編声優映像だったし。

  39. テイルズオブクレストリア 7点: CGっぽい画面だけど絶妙に質感が作画っぽい謎技術で画面に惹き込まれる。ゲームのPVといった感じのテンポで進み,話もまとまっていて普通に面白かった。石川由依良すぎ。

  40. 忍者コレクション 1点: 本当のゴミだった。闇芝居を騙って時々闇芝居っぽい話をやりながら怪異を忍者が倒すだけのワンパターン。怖がらせ方も笑わせ方も全て中途半端で何アニメにしたいのか不明だった。怪異を倒していくうちに忍者自身が怪異へと堕ちていく本筋っぽい話も何故か中途半端なまま終了。評価すべき点はEDくらいしかない。