タト部記憶

チラシの裏

2018今年の十話

良い意味で「記憶に残った」アニメの記録と,悪い意味で「傷跡を残した」アニメの供養を兼ねて今年の10話を選出したいと思う。

一クールに新作70本が常態化した近年,継続含めると週100本を超える*1アニメがTV放送やネット配信に乗って世に送り出されていることになる。

見る僕達も一つ一つを本腰入れて視聴することは難しいし*2,ストーリーのあるアニメでは話の筋を追うことすらも難しいことが多い。

それは作り手も同じことだろう。脚本で,映像で,様々なところでクオリティの高さを見せるアニメがあれば,当然クールの片隅で苦境を露わにしながら奮闘するアニメもある。出来不出来によらず,僕達は作り手への敬意として,何か一つだけでも作品から得なければいけないと思う。

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とりあえずタイトルと話数だけ書いておく。気が向いたら脚本,絵コンテ情報も足すかも。

 

  • 記憶に残った十話
  1. ハクメイとミコチ #11 「夜越しの汽車 と 雨とテンカラ」 列車旅というものがそもそも好きなんだよな。ミコチがハクメイの趣味に付き合っている感じも良い。
  2. 宇宙よりも遠い場所 #12 「宇宙よりも遠い場所」 もはや言葉を尽くす必要もない。距離の「遠さ」と時間の「遠さ」というこの作品のテーマをきっぱり言い切る最大の盛り上がり。今年見たアニメで唯一泣いたかもしれん。
  3. ゆるキャン△ #5 「二つのキャンプ、二人の景色」 旅行ってこういうもんよね~という各務原なでしこと志摩リンの並行した展開,それが遠く離れたキャンプ場でも同じ夜空を見ている,という点で交わる美しさ。完成度が高すぎる。
  4. ピアノの森 #12(終) 「fff(フォルティッシッシモ)」 これは…紛れもない…ピアノの森…。気持ち良すぎる。見てきて良かった。1クールの総決算。音楽と映像の調和。
  5. Caligula-カリギュラ- #7 「絶望的な状況である時こそ、笑顔をたたえることが必要だ。」 シリアス路線だった前回までと打って変わり明確にギャグアニメへと舵を切った回。数々の名言が飛び出す。ここからこのアニメは面白くなった。
  6. ハッピーシュガーライフ #12(終) 「ハッピーシュガーライフ」 原作未完ながらも(先取りしたっぽいけど)ホラーアニメとして成立した終わり方で綺麗。終わり良ければ総て良し。
  7. アイカツフレンズ! #23 「叫ぶ、瞬間」 やはりここだろう。蝶野舞花の顔が良い。家族,友情,そしてアイドルであることへのひた向きさ。筋が通っていたかは別として,勢いと清涼感が心地良い一話だった。
  8. ゾンビランドサガ #2 「I♡HIPHOP SAGA」 フリースタイルラップに載せて本音を語らせるのが説得力あって良い。ストーリーの転換点としても機能していて,なかなか良くできた話数。
  9. BANANA FISH #24(終) 「ライ麦畑でつかまえて」 なんと美しく,悲しい幕引きなのだろうか…。熱さもあり,静けさもあり,よく出来たアニメだった。
  10. 色づく世界の明日から #13(終) 「色づく世界の明日から」 最終話まで見てようやく話を貫通する琥珀の思いとかが理解できて,演出や音楽もこれでもかと聞かせてきてああ良いアニメだったねと思えた。この回あってこそでしょう。

 

 

  • 傷跡を残した十話
  1. バジリスク桜花忍法帖 #24(終) 「桜花、咲き戻りたり」 30分に3回殺されるラスボス坊さん。結局よくわからなかった桜花。構成が破綻したクソアニメにふさわしい意味不明超展開最終回。
  2. グランクレスト戦記 #24(終) 「皇帝聖印」 終始ヘニョヘニョ映像でパッと出のラスボス討伐,からの映像の世紀,からのテ男様age。クソアニメにふさわしい最終回だった
  3. メルヘンメドヘン #9 「旅は道連れ罠は気まぐれ」 言わずもがな。映像が酷すぎた。話もいきなり福井とか言い出して意味不明だし,アニメ業界の悲鳴を感じた。未だに11話12話は放送予定がない。
  4. されど罪人は竜と踊る #11 「砂礫の終局図」 このアニメを体現するかのような,どうしようもない回だった。下品でしょーもない会話,12話と抱き合わせで放送していて面白映像も適度にあったのを思い出す。カス。
  5. 甘い懲罰~私は看守専用ペット~ #5 「脱獄」 弁護士が手引きするクソ雑脱獄計画で笑う。オモシロ脱獄映像で笑う。シャワー室までわざわざ戻ってきて犯す展開で笑う。これがやりたくてアニメ化しただろ。
  6. LOST SONG #8 「悠久の歌」 真面目に見られないような薄い内容だったアニメが,ここでトリックを明らかにすることで転換点となった。あまりにも遅すぎる。ここで視聴態度は確かに変わったが,だからと言って面白くなったわけでもなく…。
  7. 百錬の覇王と聖約の戦乙女 #1 「盃の誓い」 2013年とかの雑ラノベアニメを見ているときの気持ちが一瞬で蘇る。やたら進んだ段階から始まるストーリー。異様に古臭い絵柄。面白映像。この一話から感じるクソアニメの匂いはやがて消えることも知らずに…
  8. 千銃士 #10 「総力戦」 一週間総集編で休憩してからのグニャグニャ映像総力戦。極太クソ雑ビーム発射でクソ雑ミサイル撃墜。カス。
  9. ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士 #10 「黙示録の獣」 終盤全ての話をひっくり返していきなり宇宙船からビーム出たり超展開のオンパレード。映像もへにょへにょだし正気ではない。笑った。
  10. ブラッククローバー #63 「誰でもない」 映像は基本低空飛行で,たまに頑張る本作。今回も放送前からかなり気合が入っていそうなコメントが作画陣から続々上がっており,悪い意味で期待が高まっていたが,かなり挑戦的なよく動く映像だった。それゆえにそれぞれのスタッフのスタンドプレーというか,統一感の無さが浮き彫りになってしまって却って,といった感じに…。話はいつも通り虚無だったし。

 

  • 選外

冬(1月期)

  1. 伊藤潤二「コレクション」#11 「コレクションNo055 超自然転校生/コレクションNo035 案山子」 梶裕貴ボイスの転校生がビーム発射する映像等々オモシロ映像。
  2. 恋は雨上がりのように #12(終) 「つゆのあとさき」 演出。雰囲気そのままに綺麗にまとまっていた。
  3. ダメプリ ANIME CARAVAN #7 「裸一貫 × 温泉郷」 アバンで温泉爆発からの王子がみんな裸で放り出される展開笑った。
  4. ラーメン大好き小泉さん #5 「トマトラーメン/ミドリムシ/行列」 俺たちの山手。決して旨いとは言わないのが笑う。
  5. 博多豚骨ラーメンズ #12(終) 「サヨナラホームラン」 サインで伏線回収したり脱出の流れだったり全てが雑でこのアニメらしい。30分アニメはやっぱり緩急,勢いが大事なんだよな。

春(4月期)

  1. 食戟のソーマ餐ノ皿 遠月列車篇 #6(#18) 「誰が為に」 おさずけ。スケベすぎて笑う。
  2. ルパン三世 part5 #16 「初恋の話をしよう」 アミ・エナンの感情がキーとなる本作だが,淡い恋心が露わになる回ほど良い。
  3. Cutie Honey Universe #12(終) 「あなたは希望を持ち帰る」 破綻したストーリーの結末に持ってくるのがこれ。全員でハニーのコスプレして踊って解決とかマジで意味不明すぎて冷えた。視聴者が視聴に費やした時間の否定。
  4. ラストピリオド-終わりなき螺旋の物語- #7 「あにまるトモダチ」 隠すつもりのないパロディ回。こういう攻めた回ができるのがソシャゲアニメの強みだ。

夏(7月期)

  1. ガンダムビルドダイバーズ #23 「宿命の二人」 終盤の盛り上がりどころ。チャンピオンが最後の関門になることはわかっていたが,最後の最後に出てきたところでEDが流れるのが完璧すぎる。
  2. 新幹線変形ロボ シンカリオンTHE ANIMATION #29 「海へ!!敵の電波信号を探れ」 朝アニメ恒例大きなお友達向けドスケベ水着回。なんと運転士たちのお母さんが水着で登場。男鹿アキタ母がドスケベ。
  3. アンゴルモア 元寇合戦記 #12(終) 「一所懸命」 今まで危うく守ってきたものが,圧倒的な数の差を前に呆気なく崩れ去るのがカタルシスあって最高。くノ一が犯されるのも笑顔。
  4. 音楽少女 #7 「ニクとアイドル」 狂気のカラアゲダンス。このアニメが狂気を宿したギャグ路線なのだとここで気づいた。7話のグニャグニャ踊りも爆笑ポイント。
  5. 悪偶 -天才人形- #11 「邂逅のパ・ド・ドゥ」 フィボナッチ数列暗唱攻撃の面白映像。
  6. One Room セカンドシーズン #1 「花坂結衣ははしゃいでる」 エロ漫画の完全な導入。最高すぎた。なお以降はこれ以上にエロい回無し。
  7. 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 #10 「魔王復活」 そもそもがスケベなアニメではあったが,スケベシーンのピークがここだった。異世界手マン王。

秋(10月期)

  1. ゴブリンスレイヤー #1 「ある冒険者たちの結末」 初見ではただの目を引くためだけの凌辱シーンとありがちなキャラ紹介世界観提示だなと思った。最後まで見ると,最終回と対になっていてそれなりによく出来てたなとは思う。
  2. 学園BASARA #9 「あの鐘を鳴らすのは、まさか!/戦国BASARAへようこそ」 スピンオフ斯くあるべし。
  3. スーパーブック #13 「地球最後の日!~ぼくらの黙示録~」 12/30にこれを放送するセンス。アバンで家全焼もまあまあ笑った。
  4. ゴールデンカムイ(2クール目) #20 「青い眼」 出来上がった主要キャラを転がすだけでも面白いのに,掘り下げで語られる珠玉のサブエピ群が殊更良いまさに粒揃いの2クール目。中でもやはり印象が強かったのは「ラッコ鍋」回だった…

*1:根拠は無いです

*2:無論世界中の人間は最低でもアニメを等倍速で見ていると思うが