タト部記憶

チラシの裏

「朗読」に寄せて

下書きに入れたまま死蔵していた文章を掘り出したがそのまま消すには忍びないので置いておく。タイムスタンプは2017/8/13となっていた。

 

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最近,機会に恵まれて,声優さんの朗読を生で見るということが連続して二回くらいあった。

それぞれ内容は全くの別方向で,感想もまたそれぞれにあるのだけど,それ以上に,ちょうど声優ってなんなんだろう?とか自分はイベントに行ってどうしたいんだろう?なんて悩んでいたところだったので,考えるヒントをもらったような気がしてならない。

まとまらない考えをとりあえず書いておこうと思う。

 

まず,悩みというには些細な(皆思っていてもわざわざ書かないような)ことを思った背景について。

 

冒頭で触れた朗読イベントというのはこういうやつ。

声の大響宴2017

砂岡事務所プロデュース『独立記念日』

一つ目は朗読パートとライブパートに分かれてて,当日はライブパートが面白すぎてこればっかり感想を言った気がするが,朗読パートは出演者が劇中に自分の演じた有名キャラを登場させまくる「大共演」といった感じで大いに笑わせていただいた。

僕が目当てにしていた声優さんは追加発表枠で,発表当時は大先輩声優さんに囲まれるイベントに何でいきなり?という純粋な疑問が駆け巡ったものだった。そんな不安のような感情は杞憂でしかなくて,とても刺激を受けながら,自分にやれる限りを尽くして(アドリブをかまそうとして危うく夜の部ではスベりかけていたが)いた様子が少なくとも壇上の姿からは見てとれた。

 

 

この二つのイベントは,他の声優さんの演技も生で入ってきて無意識に両者の上手さを比較してしまう,という点において僕の中では共通の感想を呼び起こした。それは今までにも朗読を聞くたびに薄々感じていたことだった。テレビ越しにアニメでの演技を聞くのとは違って,生の演技には厳然としたリアリティがあって,頭では拒否し続けてきた。

でもその感想を無視できなくなった今,敢えて言葉にしてしまうなら,演技の「奥行き」「引き出し」「リアリティ」(言葉にしにくい感じだから各々の言葉で読み替えてほしい)みたいなものを僕はもっと欲しているのだろう。そしてそれをまだ,僕はかの声優さんから満足行くまで感じ取れてはいないのだと思う。

同時に,二つの朗読イベントを通して,今までよりずっと強く感じたこともある。まだ自分が完璧に満足するような演技が聴けていないなら,これからそこまで到達する余地,可能性,機会があるということじゃないか。今あるものだけじゃなくて,変化の方に目を向けていくとより楽しめるのではないか。そうはっきりと感じられた。

実際,2年前初めてメインキャラクターとしての演技を聴いたときより,満足感が大きくなっている気がする(これは罠で作品ごとに環境が違うのだから必ずしも同じ土俵では語れないのだろうけど)。

今更何言ってるんだ,声優さんの変化に目を向けるのは当たり前じゃないか,と思われるかもしれないけど,これはもっときっぱり行動に表せて,つまるところ「節目節目を見極めて眺めていけ」ということなのだろう。自分が観に行ける範囲は出来るだけ網膜に焼き付けて,というスタンスは今の自分には疑問視せざるを得ないものになってしまった。多分そういう方向で僕はこれから声優さんを眺めていくのだろう。

ああすっきりした。